AO入試情報

東大卒が『AO入試は全ての人にチャンスあり!』と考えるワケ

沢津橋講座長

こんなことが分かる記事

・なぜAO入試は注目され続けているの?

・「AO入試 × オンライン」の相性が良いのはどうして?

・AO入試で合格しやすい人の共通点とは?

・うちの子にAO入試は向いているの?

※ 当記事では「総合型選抜」を、旧称「AO入試」と表現しています。

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受験生一人ひとりの表現力や思考力に着目し合否を判断するAO入試。
私立大学をはじめ、近年ではますます入学者枠が増加傾向にあります。

東京大学在籍中には、オンライン教育(ICT教育)を研究しており、30歳を迎え今や塾講師歴は12年、指導した生徒は1000人以上…
今回そんな沢津橋先生に、AO入試を中心とした「受験に求められること」や「合格する生徒の共通点」などをお伺いしてきました!

●プロフィール
さわつばし のりひろ
沢津橋  紀洋

早稲田大学文化構想学部卒業後、東京大学文学部社会学専修過程に編入学。卒業後は同大学教育学研究科に進学、卒業(修士)。

学部時代から教育活動を開始し、東京都港区学力向上支援事業を受け、公立中学にて教鞭。教育学研究科時代には私塾界にて「もし科学の視点が塾にあったなら」の連載を担当。

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●論文
・「ICTを用いた通信教育における教師と学習者のコミュニケーション」
・「学習塾アルバイトの社会学的研究-個別指導の事例研究-」

●講演情報
大隈塾(高田馬場新聞)
東大新聞

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『大学に ”普通学部” なんてない』

ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします!
まず最初に、沢津橋先生が考える「受験とはいかなるものか」についてお聞きしたいと思います。

沢津橋先生:
よろしくお願いします!

受験とは、その先の学校生活、さらには将来どんな自己形成に向かうのかを左右するものと考えています。

大学受験に関していえば、小中高の中では最も自由度の高い選び方ができるでしょう。県境や国を跨いで入学することもできますし、数ある学部の中から自身にあった分野を選ぶこともできる。加え、大学受験に向かうタイミングは自己意識が芽生えている時期でもあります。

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そして何より、大学には ”普通学部” がない。
今までの5科目をバランスよく学ぶ「普通」を離れ、自分の個性・専門性を成長させ、将来を委ねる場所を自己決定する… 大学受験はそうした局面といえるでしょう。

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『注目を浴びているAO入試、果たして生徒はどう変わる…?』

ー 受験とは非常に自由度の高い選択であり、自身の未来を決定づける重要な局面なんですね!
ここで、近年注目を浴び続けておりさくら学習院でもオンラインの対策指導を実施しているAO入試についてお伺いしたいと思います。

【AO入試とは…?】
ペーパーテストの点数のみで合否を判断するのではなく、面接や小論文、グループディスカッションなどを通じて受験生の特性や大学のポリシーとのマッチ度合いを合否基準とする選抜方法を指します。
一般入試よりも実施期が早いというのも特徴の一つです。

沢津橋先生:
AO入試は、今後増えることは合っても減ることはない入試だと考えています。

年齢や性別、国境などあらゆるボーダーが崩れてきているこの時代は、何者にでもなりやすい時代です。同時に、学校のテストとは違い、明確な答えのない時代ともいえるでしょう。

AO入試はそうした新たな時代・社会に仕様を合わせた入試枠であるため、やはり入試自体にも明確な答えはありません。また、AO入試のテーマは自分自身です。
「自身の考えを題目に乗せて記述する」小論文、「自身の将来像や大学での生活などを語る」面接など、自分を深く知り表現することが求められているのです。

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ー 先ほど「大学受験は自由度が高い」というお話が出てきましたが、その傾向はますます高まっているのですね。
沢津橋先生が専門としていたインターネットやオンラインサービスを活用する「ICT教育」に関わることですが、そうしたAO入試対策をオンラインで行うことについては、どのようにお考えなのでしょうか?

沢津橋先生:
AO入試とオンラインは、非常に相性が良いと考えています。

オンラインは活動をするからこそ開かれる場所です。例えば、「会社で解決しなくてはいけない課題を議論するため」にオンラインミーティングが開催され、「在宅続きで最近友だち同士で話ができていないため」オンライン飲み会を開催する…
このように、「〇〇をしよう!」と決めて皆が集まり始まるものです。
リアルな教室で行われる授業ではただ机に座っていても、何気なく「勉強した感」がありますね。

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一方オンラインでは必然的に、答えを探し対話をすることが求められます。
このアクティブさこそがAO入試で求められていて、オンラインでAO入試対策を行うことは、必要な資質を成長させるのに最適な方法だと考えています。
加えて、大学選択は県境や国さえも跨ぐことができ、この地域横断的な面もオンラインには共通しているといえるでしょう。

ー コロナでオンライン化がますます進む最中、AO入試は時代ともマッチした選抜方式といえますね。
実際のストーリーで、高校3年間AO入試対策を受けてきて、性格がずいぶんと明るくなったという生徒さんの事例もあります。やはりオンラインだからこそ鍛えられるアクティブさは、AO入試突破だけでなく個人の成長にも実を結ぶと感じました!

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『AO入試に必要な資質は、みんなが持っている』

ー アクティブな姿勢が求められるというAO入試。
しかし、高校の時点で「①将来のビジョンを描く力」や「②それを的確に伝える表現力」に明るい生徒さんは、あまり多くはないのではと思います。その点についてはどのようにお考えでしょうか?

沢津橋先生:
まず「①将来」についていえば、親御さんからしても『うちの子がそんなことしっかり考えているんだろうか?』と心配になることもあるかもしれませんね。
今まで見てきたさまざまな生徒さんの中には、シャイだったり内向的な生徒さんもたくさんいましたが、案外そうした生徒さんの方が自身と向かい合うことに多く時間を費やしています。

あとは生徒さんに『あ、僕はこれが好きなんだ!』と気づいてもらえれば、その “好きなこと” を “将来やりたいこと” に結実させていく。対話を通してこのように進めていけば、生徒さん自身で一つの将来像をイメージすることができるでしょう。

次に「②表現力」についてだと、そこには日本の教育現場にとある問題が横たわっているためなのです。

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というのは、日本の学校では、人前で「自分について話すこと(=自己言及)」する機会が圧倒的に少ない。自分について話すには、自分のことを掘り下げ深く知っておく必要がありますよね。

実は、こうした自身を振り返る力は、誰もが平等に生まれ持っているのです。そのためトレーニングさえ重ねれば誰でも、確実に成長させることができます。

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『話上手がAO入試を突破できるわけではない』

ー AO入試の、平等に生まれ持った資質をいかに成長させ力を発揮できるかという点から、どんな人にでもチャンスがある入試枠だということが分かりました。
しかし、どんなことにでも “共通する点” があるのではないでしょうか?

ここでは、沢津橋先生の経験にみる「AO入試で合格しやすい生徒」の共通点について聞いていきたいと思います。

沢津橋先生:
AO入試で合格しやすい生徒というと、「部活動の大会実績がある人」や「英検などの資格保有者」、「話上手」などをイメージしがちですが、そうではありません
自身の持つ実績や経験を、面接官が好印象を持つよう “それっぽく” 話したところで、どうしても薄っぺらさが出てしまうからです。

今まで指導した生徒の中で、AO入試を検討していたとある生徒さんがいました。
彼に『どうしてその学校にいきたいの?』と志望理由を尋ねたところ、いかにもな理由を並べて語るので、本当にそう思っているんだろうか… と疑問を感じました。

彼が一通り話し終えた後、『それで、君は本当は何が好きなの?』と尋ねると、ハッとしたような顔をしたんです。

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この生徒さんも、誤解をしていたのです。
AO入試のテーマは自分自身、つまり、「自分の好きなことやりたいことを話す場所」なのです。
AO入試をそうした場所と捉え、面接官にしっかりと考えを伝えるには、まず ”自分の中の内なる想い” を見つけること。そして、その想いを “言語化する” ということが何よりも重要だと考えています。

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『最後に… AO入試は誰にでもチャンスがあり、個性を発掘してくれる場』

今回の沢津橋先生とのインタビューを通じて、最も大切に感じたことは「AO入試は誰にでもチャンスがある」ということでした。

なぜなら、AO入試に求められる “自身と向き合う力
は、誰もが持っている能力。多くの生徒さんがその能力を上手く成長させられていないのが現実ですが、反面、早くから受験対策を進めトレーニングを重ればそのぶんだけ、着実に合格に近づくことができます。
このようなAO入試の特質や、一般受験よりも早く実施されるということからも、合格のチャンスを掴むには ”対策が早ければ早いほどいい” といえるでしょう。

内山塾長や沢津橋先生ら率いる「さくら学習院」では、オンライン形式のAO入試対策講座(ニッコマ)を展開しています。
現状では到底届かないと思っていた大学に合格した事例も多数あり、これまでも早慶・GMARCH 合格率90.9% という実績を残しています。

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